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コラム

糖尿病

インスリンなどの自己注射治療について

糖尿病治療薬の歴史

糖尿病の治療薬の歴史は1921年のインスリン発見に始まり、その後内服薬やインスリン以外の注射薬であるGLP-1受容体作動薬など様々な薬剤が開発されてきました。現在はその作用機序や血糖を下げる効果だけでなく、そのほかの様々な効果を考慮してどの薬剤を使用するかが個々に検討されます。

インスリンの投与方法に関しても様々な検討や薬剤の開発が行われ、より生理的なインスリン分泌や効果を模倣するための工夫や、より簡便に投与できないかといったことが研究されてきたわけですが、残念ながら安定した経口薬の開発には至っておらず2025年現在では患者自身が皮下注射による投与(自己注射)が必須です。

インスリン治療が必要になるケース

体にインスリンの分泌能力が残存していればインスリン以外の経口薬なども治療の選択肢となりますが、1型糖尿病や長年の罹病で弱ってインスリン分泌の低下した2型糖尿病においてはインスリン治療が必要になります。

今後の新薬開発には期待したいですが、現状の臨床薬で治療する以上は適切にインスリン製剤を自己注射していかなければなりません。

自己注射薬開始時の注意点と当院の指導

内服薬も飲む時に注意が必要な薬はありますが、特にインスリン自己注射を行う際には適切な手順で定められた量を患者自身が自己注射する必要があります。どの年齢の方でも適切にインスリン自己注射ができるように、また、認知機能障害がある方でもまわりのサポートで打てるように、当院では自己注射を始める時には専門のスタッフが丁寧に指導することを心がけています。

もちろん、インスリン以外の自己注射薬も同様に治療開始時の指導を行っていますし、治療継続中の通院時には些細な疑問点や質問にも答えますので、最初だけでなく、いつでも遠慮なく尋ねていただければ幸いです。

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