動脈硬化について
動脈硬化についてどのようなイメージを持っていますか?
字の通り、動脈がカチカチに固くなっているイメージですか?
それともドロドロの血が流れている血管をイメージしますか?
動脈の構造
人間の血管は心臓からそれぞれの臓器に向かう動脈と臓器や末端から戻ってくる静脈に分けることができます。戻ってくる静脈は血液を動かすのに大きな圧力を必要としないものの、送り出す動脈では血液を送り出すために圧力がかかっています。心臓の拍動で大きな圧力がかかっているわけですから静脈に比べて動脈は丈夫な構造をしていないと耐えられません。
簡単に説明すると動脈は3層構造です。外側に繊維でできた強い膜(外膜)があって内側の内膜は血液中の成分を通しやすくなっています。間の筋肉を含む中膜という層がこれを繋いでいます。
動脈硬化と脳梗塞、心筋梗塞
血液中の脂質が多く、内膜の壁が炎症で傷つくと脂質が内膜と中膜の間に入り込んで溜まって炎症を起こしてしまいます。これをプラークと呼んでいます。外膜が強いので溜まったプラークは内側に張り出してしまいます。プラークの量が多かったり、炎症の修復が間に合わないと破れて中身が飛び出し、先の狭いところで血管の内側を塞いでしまいます(血栓)。もちろん、そういったことが起こらなくても狭くなっていること自体はその先の血流が足りないことに繋がり、完全に詰まってしまえば梗塞といいます。ですから、これが脳で起こったのが脳梗塞で、心臓で起こるのが心筋梗塞です。
動脈硬化とは
プラークができたり、他の原因もありますが、動脈が狭く、炎症を起こして固くなることを指します。これらは心筋梗塞や脳梗塞の原因となるだけではなく、足の大きな血管で起これば足の壊疽につながることから重大な病気の元となることは明白です。糖尿病や高血圧、脂質異常症といった疾患は動脈硬化の元となるために治療が必要となるわけです。
動脈硬化の評価
元となる疾患の管理は重要ですが、すでに動脈硬化がどのくらい進んでいるのかを調べるにはエコー検査や脈波検査といった検査が有用です。当院でも実施できますので気になる方はご相談ください。